市民会議は、8月3日、「福島県と大熊町・双葉町の汚染水の海洋放出設備工事の事前了解」について、記者会見を開き、抗議の「声明」を公表しました。
あわせて、福島県庁前で「原発汚染水を海に流さないで!」とスタンディングを行いました。
海洋放出については、漁業者をはじめ、多くの県民が反対をしています。このような理解と合意なき海洋放出について、事実上の推進となる事前了解をした福島県、大熊町、双葉町に対して、強く抗議し、了解を取り消すように求めました。
そして、あらためて政府と東京電力に対し、『関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない』という福島県漁業協同組合連合会との文書約束を守らせ、海洋放出しないよう求める声明を発表しました。
記者会見後、共同代表が、福島県原子力安全対策課の副課長に声明文を手渡し、海洋放出には反対するよう重ねて求めました。
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理解と合意なき汚染水の海洋放出設備工事の事前了解に抗議します
昨年12月、東京電力は、福島第一原発事故由来のタンク貯蔵汚染水を希釈した「ALPS処理水」の海洋放出設備について、原子力規制委員会に「福島第一原子力発電所特定原子力施設に係る実施計画」の変更認可申請を行い、福島県、大熊町、双葉町に対し、周辺地域の安全確保に関する協定に基づき、「事前了解願い」を提出しました。
これに対し、7月22日、原子力規制委員会が変更認可申請について認可し、昨日、8月2日、内堀雅雄福島県知事と吉田淳大熊町町長、伊沢史朗双葉町町長が、小早川智明東京電力社長と福島県庁で面会して、事前了解を伝えました。
私たちは原発汚染水の海洋放出に反対です。
2011年3月の福島原発事故により、多くの人たちが避難をし、命と健康を守るために、苦労を重ねてきました。その後の11年の間、奪われた日常を取り戻したい、安心して子育てをし、おいしい福島の産物を食べて暮らしたいと願ってきました。
しかし、その中で昨年政府の海洋放出の決定がなされました。
今回の、原子力規制委員会の認可や福島県、大熊町、双葉町の了解は、国も自治体も、汚染水の海洋放出につながる第一歩を認めたことになります。
現在保管されているタンクの中身は、未だ全てを検査できていない。廃炉のために欠かせないと言いながら、その廃炉の最終形も示されない中で、早急に海洋放出を進めるのは、間違いです。
県内外のみならず、海外からも寄せられた多くの反対意見、署名もパブコメも、市民の要請をも、たくさん受けながら、それを無視して進めるやり方は許されません。
私たちは、原発事故の被害者・被災者として、事前了解に強く抗議するとともに、福島県などが、事前了解を取り消し、『関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない』という福島県漁業協同組合連合会との文書約束を守るよう、政府と東京電力に対し求めることを強く求めます。
さらに、政府と東京電力に対して、海洋放出工事の中止、放出水の全情報の公開、不十分な放射線影響評価の見直し、長期陸上保管、地下水の止水やトリチウム分離技術の実用化など汚染水対策の確立を、あらためて強く求めます。
子供を守れ!漁業を守れ!未来を守れ!と叫びながら、懸命に暮らす人々をこれ以上傷つけ苦しめないでほしい。
私たちは、この福島原発事故由来の汚染水放出に反対し、その声をあげ続けます。
2022年8月3日
これ以上海を汚すな!市民会議
共同代表 織田千代 佐藤和良