2023年10月22日日曜日

11月23日「どうなってるの海洋放出?!学習会〜このまま流し続けていいの?本当に廃炉のため?まずは止水から!〜」

                                             
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 放射能汚染水の海洋投棄後、初めてとなる「これ海学習会」です。

  ぜひご参加ください!

「どうなってるの海洋放出?!学習会
    〜このまま流し続けていいの?
       本当に廃炉のため?まずは止水から!〜」

(日時) 11月23日(木・祝)13:30~16:00
(場所) ラトブ6階 いわき産業創造館企画展示ホールA

■報告
*処理汚染水をめぐる論点 満田夏花さん(FoE Japan0
*漁業者から 野崎哲さん(小名浜機船底曳網漁業協同組合)
*現在も続く、福島第一原発からの放射性物質の放出 
         松久保肇さん(原子力資料情報室)
*原発構内の止水 柴崎直明さん(福島大学響生システム理工学類)
■質疑応答
■リレートーク

主催・問合せ:これ以上海を汚すな!市民会議

「放射線防護の民主化フォーラム 2023-2030」のご案内です。




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 「ICRP2023東京」への“対抗イベント”として、

11/3日~4日 「放射線防護の民主化フォーラム 2023-2030」が開催されます。

とても学べるフォーラムだと思いますので、ご案内します。

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福島第一原発事故後の放射線防護における最大の問題は、

市民の人権や意向を無視した方策がとられてきたことにあります。

放射線の影響から身を守る「放射線防護」の基準のもととなるICRP(国際放射線防護委員会)の

基本勧告が2030年頃に向けて改訂される予定です。


市民を重視した放射線防護を実現するための長期的な取り組み体制づくりの第一歩として下記のフォーラムを企画しました。

会場は福島市内ですが、zoomでもつなぎます。ぜひご参加ならびに周知にご協力いただけると幸いです。

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「 放射線防護の民主化フォーラム 2023-2030 」

with 飛田晋秀写真展、減思力展、原子力災害考証館furusato

 ―福島の経験を共有し、放射線の影響からの‟身の守り方”を市民の視点で問い直すー

http://www.ccnejapan.com/?p=14287


開催のお知らせ

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★「開催の経緯と趣旨」はこちらから

http://www.ccnejapan.com/?p=14386

★ チラシをダウンロードできます

http://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2023/10/20231103-04_forum_flyer.pdf


■日 時:2023年11月 3日(金・祝)~4日(土)

■会 場:福島テルサ「3階」+zoomによるハイブリッド開催

地図:http://www.f-shinkoukousha.or.jp/terrsa/access.html


■申込方法: 下記のリンクから、お申込みください。

〇報告会場の参加登録 【申し込み締切:10/27(金)】(定員を超えた場合、お断りする場合があります。あらかじめご容赦ください)

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScc2iRpgUW_I0YrB2Snvnjc2zf2dV2FQqNxhbHGBJ9bb4xxGA/viewform


〇Zoomの参加登録(定員1000名、登録いただければアドレスが返送されます)

https://keio-univ.zoom.us/webinar/register/WN_s1DBFHMsQS6caZ5uPRfrwQ


〇展示会場(同じく福島テルサ「3階」): 登録なしでご自由にご覧いただけます。


■参加費:無料

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■報告会場の【(暫定)プログラム】※団体アピールは調整中です。報告タイトル含む確定版は後日公開します。


≪11月3日(金・祝)≫ 

[13:00-14:25] 福島の経験を共有する/ICRP146の問題(1)

●全体の趣旨

 濱岡豊(慶應義塾大学教授、CCNE福島原発事故部会)

●福島事故被災者の視点から

 武藤類子(福島原発告訴団団長、CCNE委員)

 島明美(伊達市民、現市議会議員)

 八巻俊憲(元福島県立田村高校理科教員、CCNE福島原発事故部会)

 明智礼華(原発賠償京都訴訟団、CCNE事務局)

 市村高志(Tomioka. Connection. Fellowship 共同代表、CCNE福島原発事故部会)


[14:35-15:30] <展示の趣旨と団体アピール>

 ・後藤 忍(福島大学教授、CCNE福島原発事故部会)「減思力展示について」

 ・飛田晋秀(写真家)「福島の記憶 3.11で止まった町」

 ・原子力災害考証館furusato


 ・郷田みほ「市民立法「チェルノブイリ法日本版」を作る郡山の会(しゃがの会)」代表

 ・福島敦子「原発賠償京都訴訟・原告団」共同代表

 ・(調整中)紺野則夫「福島原発事故被害から健康と暮らしを守る会」他


[15:45-16:40] 福島の経験を共有する/ICRP146の問題(2)

●近隣県から

 清水奈名子(宇都宮大学教授、CCNE委員)

●全体Q&A、プレ企画に寄せられた質問・コメントの紹介

 濱岡豊(慶應義塾大学教授)


[17:00-18:40] UNSCEAR福島報告書の問題点(1)

●総論

 本行忠志(大阪大学名誉教授、大阪大学大学院医学系研究科招へい教授、医師)

 津田敏秀(岡山大学大学院教授、医師・医学博士)

●線量評価

 黒川眞一(高エネルギー加速器研究機構・名誉教授)


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≪ 11月4日(土)≫

[10:00-12:25] UNSCEAR福島報告書の問題点(2)

●甲状腺がんのデータから

 加藤総子(理学博士・元短期大学教授)

●甲状腺がん患者の実態

 牛山元美(さがみ生協病院内科部長)

 崎山比早子(3・11甲状腺がん子ども基金代表理事、CCNEアドバイザー)

●甲状腺以外の健康影響

 林敬次(はやし小児科院長・医療問題研究会代表) 

●県民健康調査の問題点

 種市靖行(医師)

●Q&Aと総括議論


<団体アピール>

 ・今野寿美雄(「子ども脱被ばく裁判」 原告代表)

 ・武藤類子「ALPS処理汚染水差止訴訟」事務局

 ・ビデオメッセージ「311子ども甲状腺がん裁判 弁護団」

 <昼休憩>


[13:25-14:35] ICRP新勧告改訂に向けて

●全体像

 柿原泰(東京海洋大学教授、市民科学研究室・低線量被曝研究会)

●史的背景と科学的側面

 藤岡毅(大阪経済法科大学客員教授)

●市民のための防護

 瀬川嘉之(高木学校、市民科学研究室・低線量被曝研究会)

●Q&Aと総括議論


[14:45-16:40] 連帯に向けて

●広島・長崎と

 小山美砂 (ジャーナリスト・元毎日新聞記者)

●公害病と

 林衛(科学ジャーナリスト・富山大学准教授)

●世代をつなぐ

 清水奈名子(宇都宮大学教授)、後藤忍(福島大学教授)

 明智礼華(原発賠償京都訴訟団、CCNE事務局)

 佐久川恵美(同志社大学都市研究センター研究員)

●Q&A

●全体まとめと今後に向けて

清水奈名子(宇都宮大学教授、CCNE委員)


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展示会場 11月3日(金・祝)13:00-19:00 および11月4日(土)10:00-15:30頃まで

(登録不要、自由にご覧ください。)

●飛田晋秀「(写真展)福島の記憶 3.11で止まった町」

●福島大学共生システム理工学類環境計画研究室(後藤忍教授)

「減思力(げんしりょく)」の教訓を学ぶためのパネル展

——福島第一原発事故前後の原子力・放射線教材等の記録」

●原子力災害考証館furusato 


■主 催:慶應義塾大学商学部・濱岡研究室

■共 催:原子力市民委員会(CCNE)、市民科学研究室・低線量被曝研究会、

科研費プロジェクト「放射線防護体系に関する科学史・科学論的研究から市民的観点による再構築へ」、

福島原発事故による甲状腺被ばくの真相を明らかにする会、富山大学科学コミュニケーション研究室

■問い合せ先:原子力市民委員会

 TEL: 03-6709-8083 E-mail: email◎ccnejapan.com(◎を@に変えてください)


2023年10月3日火曜日

【 ALPS処理汚染水の差し止め訴訟】の「二次原告募集」に関する情報

 詳しくは→  ALPS処理汚染水の差し止め訴訟ホームページ 


「ALPS処理汚染水差止訴訟」第二次原告募集について

●原告になれる方
福島第一原発のある太平洋沿岸部の、福島県、茨城県、宮城県、岩手県、千葉県、東京都に居住する方、および原発事故により前記1都5県から避難中の方となります。

●訴訟費用
訴訟費用(印紙代等)として13,500円をご負担いただきます。

●お申し込み方法
10月20日までに下記連絡先までEメールかFAXでお申し込みください。
その際、お名前、ご住所(郵便番号を含む)、電話番号、Eメールアドレス、避難者の方は避難元住所、漁業関係者の方はその旨をお知らせください
追って原告団事務局より委任状等の必要資料を郵送いたしますので、ご記入ののちご返送ください。

●第二次提訴予定日
11月9日(木)午後に予定しています(福島地裁)。福島市・福島県文化センター視聴覚室での事前集会や報告会も予定しています。詳細は後日、当ブログでもお知らせします。

●原告になれない方へご支援のお願い
今回、裁判においての争点を絞るため、原告となれる方の範囲については上記の地域の方に限らせていただきました。迅速な審理により速やかに放出の差止を実現するためです。何卒ご理解いただければ幸いです。
今回原告になれない方も、ぜひ共に裁判を闘っていただくため、今後発足させる予定の「ALPS処理汚染水差止訴訟を支援する会(仮称)」にご参加いただきますようお願い申し上げます。
支援する会にご参加希望の方は、下記連絡先までEメールかFAXで、お名前、ご住所(郵便番号を含む)、電話番号、Eメールアドレスをお知らせください。
または加入申込書をダウンロードしてご記入の上、お送りください。


お問合せ・連絡先
ALPS処理汚染水差止訴訟原告団事務局
〒970-8045 福島県いわき市郷ケ丘4丁目13-5
電話番号:090-7797‐4673 
FAX:0246‐68‐6930
担当:丹治杉江
Eメールアドレス: ran1953@sea.plala.or.jp


記事:「ALPS処理汚染水」放出差し止め訴訟。原告側の海渡雄一弁護士に聞く、提訴の狙いと意義

 

「ALPS処理汚染水」放出差し止め訴訟。原告側の海渡雄一弁護士に聞く、提訴の狙いと意義

配信

東洋経済オンライン

福島県伊達郡川俣町議会が『ALPS処理水の海洋放出の中止を求める意見書』を決議!!

      ALPS処理水の海洋放出の中止を求める意見書

漁業関係者をはじめとする多くの人々が反対しているALPS処理水の海洋放出を、8月22日、政府は「廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚等会議」及び「ALPS処理水の処分に関する基本方針の着実な実行に向けた関係閣僚等会議」において、東京電力に対して、速やかにALPS処理水の海洋放出開始に向けた準備を進めるよう求めることを決定し、東京電力は政府の求めに応じて8月24日に海洋放出を開始した。

これらの行為は、これまで「漁業者をはじめ、関係者への丁寧な説明等必要な取組を行うこととしており、こうしたプロセスや関係者の理解なしには、いかなる処分も行わず、多核種除去設備で処理した水は発電所敷地内のタンクに貯留いたします。」としていたことに反しており、はなはだ遺憾である。

漁業関係者をはじめとする国民に対して、丁寧な説明と理解の醸成を図らなければならない。そして、十分に議論を尽くしたものでなければならない。

政府は、東京電力に対して求めた海洋放出の指示を直ちに撤回をすることを強く求める。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和5年9月22日

  内閣総理大臣      岸田 文雄 様

 経済産業大臣      西村 康稔 様

 環境大臣        伊藤信太郎 様

 復興大臣        土屋 品子 様

 原子力規制委員会委員長 山中 伸介 様

                       福島県伊達郡川俣町議会

■PDF版

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ALPS処理水の海洋放出の中止を求める要求書

漁業関係者をはじめとする多くの人々が反対しているALPS処理水の海洋放出を、8月22日、政府は「廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚等会議」及び「ALPS処理水の処分に関する基本方針の着実な実行に向けた関係閣僚等会議」において、東京電力に対して、速やかにALPS処理水の海洋放出開始に向けた準備を進めるよう求めることを決定し、東京電力は政府の求めに応じて8月24日に海洋放出を開始した。

これらの行為は、これまで「漁業者をはじめ、関係者への丁寧な説明等必要な取組を行うこととしており、こうしたプロセスや関係者の理解なしには、いかなる処分も行わず、多核種除去設備で処理した水は発電所敷地内のタンクに貯留いたします。」としていたことに反しており、はなはだ遺憾である。

漁業関係者をはじめとする国民に対して、丁寧な説明と理解の醸成を図らなければならない。そして、十分に議論を尽くしたものでなければならない。東京電力には、速やかにALPS処理水の海洋放出を中止することを強く求める。

令和5年9月22日

     東京電力ホールディングス株式会社

取締役 代表執行役社長 小早川智明 様

                                                                 福島県伊達郡川俣町議会

■PDF版

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       (福島民友記事 2023.9.23)




ドイツ連邦環境大臣レムケさんとの懇談

 


*転載:ドイツ連邦環境大臣レムケさんとの懇談 : 風のたよりー佐藤かずよし (exblog.jp)


岩波書店「世界」8月号(2023年7月8日発売)に、ドイツ連邦環境大臣シュテフィ・レムケ氏のインタビュー記事が掲載されました。

 記事にも出てきますが、今年4月13日、いわき市で行われた汚染水海洋放出反対アクションの夜、私たち市民団体のメンバーは、レムケ大臣にお会いして、福島原発事故と被害者の現状、汚染水の海洋放出をめぐる日本の現状と市民運動などついてお話しました。

 レムケ大臣は、ドイツが4月15日に、すべての原発の廃止を実現することを誇りをもって語り、G7環境大臣会合の前に私たち市民の意見を聞くことの意義を強調されました。レムケ大臣の真摯な姿勢を感じるとともに、その後のG7大臣会合でのレムケ大臣の態度、記者会見でも、汚染水の海洋放出について「歓迎することはできない」と明言したレムケ大臣に、私たちとの懇談が少しでも寄与できたと安堵しました。

 8月24日、海洋放出が開始の日には、ドイツ連邦環境省のウェブサイトに「環境大臣として、私は放射性物質の海へのいかなる追加放出にも批判的です。何よりプロセスが透明であるべきです。福島の方々が、十分に情報を得て意思決定に参加する必要があります。これらのことを、私はすでに4月のG7札幌環境大臣会合で、日本政府に対して求めたのです。」とコメントしています。

 ヨーロッパの市民社会の立場に立つドイツ連邦環境・自然保護・原子力安全・消費者保護大臣のシュテフィ・レムケさんに感謝致します。これからも脱原発に向けて、国際的な連帯と交流を続けていきたい思います。


以下に、FoE Japanの許可を得て、ドイツ連邦環境大臣レムケ氏のインタビューを転載いたします。

ドイツ連邦環境大臣レムケ氏のインタビュー(2023年4月、G7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合を前に)

岩波書店「世界」8月号(2023年7月8日発売)に、ドイツ連邦環境大臣シュテフィ・レムケ氏のインタビュー記事が掲載されました。

2023年4月に札幌で開かれたG7気候・エネルギー・環境大臣会合。
その前に福島を訪問して、福島第一原発の構内や伝承館を訪問、また市民団体の代表者との会合も持っていました。

福島を訪問した理由についてレムケ氏は、
「自分自身の目で状況を見て、また当事者の方からお話をお聞きすることは、私にとって重要なことでした」と語ります。

また、市民との懇談について、
「あらゆる環境問題について、これまで市民社会が課題を前に勧める原動力となってきました。ですから、私が環境大臣として、市民社会の代表の方と会うことは非常に重要なことです。」と語っています。

札幌の会合や記者会見でも、処理汚染水の海洋放出について「歓迎することはできない」と明言したレムケ氏。

8月24日、海洋放出が開始された日には、ドイツ連邦環境省のウェブサイトにコメントを掲載しています。
「環境大臣として、私は放射性物質の海へのいかなる追加放出にも批判的です。海洋放出は、ほかの手段がまったくない場合の最後の手段です。どうしても避けられない場合には、科学的知見に基づいて行われなければなりません。そのようにしてのみ、人や環境への被ばく影響をできる限り小さくすることができます。何よりプロセスが透明であるべきです。福島の方々が、十分に情報を得て意思決定に参加する必要があります。これらのことを、私はすでに4月のG7札幌環境大臣会合で、日本政府に対して求めたのです。」

https://www.bmuv.de/ministerium/online-tagebuch/#3894

岩波書店の企画でアポイントを取ることができ、4月13日に宿泊先のJヴィレッジを訪問、FoE Japanの吉田がインタビューしました。以下「世界」8月号掲載記事を許可を得て転載します。


ドイツ環境大臣 独占インタビュー
原発廃止は、将来を見据えた正しい決定でした

シュテフィ・レムケ Steffi Lemke
1968年、旧東ドイツ・デッサウ生まれ。ドイツ統一後の1994年、緑の党より連保議会議員に。現在、ショルツ政権で、ドイツ連邦環境・自然保護・原子力安全・消費者保護大臣をつとめる。

聞き手……吉田明子(国際環境NGO FoE Japan)

《取材のまえに》

 岸田政権は、原子力を脱炭素電源として位置づけ推進する「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法」という束ね法案を今年5月31日、通常国会で成立させた。原発の60年を超える運転を容認し、原子力の運転期間に関する定めも原子炉等規制法から削除されることになる。国内のみならず、全世界に放射性物質を拡散させ、いまも廃炉作業や汚染水問題、避難住民の存在があるにもかかわらず、事故を起こした国の原発回帰である。

 エネルギー対策としても気候変動対策としても、脱原発・脱炭素を進める国との差が明確に表れたのは、4月15~16日に札幌で行なわれたG7の気候・エネルギー・環境大臣会合においてであった。ドイツはちょうど4月15日に、すべての原発の廃止を実現した。まさに福島原発事故を教訓とした結果である。

 そのドイツの環境大臣、シュテフィ・レムケ氏が、原発廃止当日は来日しており、しかも福島を訪れる予定であることを、私はドイツ在住のジャーナリスト・梶村太一郎さんから聞いていた(本誌六月号に梶村さんの報告がある)。原発廃止をどのように達成したのか、なぜあえて福島を訪れるのか、しかも福島で活動する市民と対話の機会ももつという。その思いを聞きたく取材を申し込んだ。以下は、四月13日、福島県楢葉町のJヴィレッジで行なったインタビューに、メールでのやりとりでアップデートを加えたものである。

●福島訪問の意図

―G7環境大臣会合前に、福島を訪問したのはなぜですか。

レムケ(以下略) 地震、津波、そして原発事故という三重の災害に見舞われた福島について、私自身、2011年当時大きな関心を持ち、心を動かされました。それは、ドイツの政治にも大きな影響を与え、当時のメルケル政権を脱原発に舵(かじ)を切らせることとなりました。つまり、メルケル氏自身が2010年に決めた原発の稼働期間の延長を撤回し、2022年を脱原発の年限として決めたのです。環境・自然保護・放射線防護の担当大臣としてG7の機会に日本を訪れるとなれば、福島への訪問は、私には必然でした。自分自身の目で状況を見て、また当事者の方からお話をお聞きすることは、私にとって重要なことでした。

―日本に到着してすぐ福島入りし、今日(4月13日)は朝から福島第一原発や東日本大震災・原子力災害伝承館を訪問されています。何を感じましたか。

 伝承館では二人の当事者の方からお話を伺い、胸に迫るものを感じました。ドイツで報道を通じて知っていたはずのものとは比べ物にならないほどの、圧倒的な大きさの被害でした。膨大な量の汚染土壌や汚染水など、その大きすぎる課題に圧倒されました。その責任は、政治や原子力企業、そして日本社会全体が負わなければなりません。その負担に、日本全体、とりわけ福島が、何十年にもわたって向き合い続けなければならないのだということを実感しました。

 一方で、いくらか救われる思いがしたのは、福島県の内堀雅雄知事とお話しして、福島県が再生可能エネルギー100%を目指し、今後原子力は一切使用しないと言われたことでした。これは、この地域にとって非常に重要なことだと思います。

―福島では市民団体の方々四人と懇談の機会をもたれたと聞きました。なぜ市民の話を聞こうと考えられたのですか。

 自然保護や大気汚染、原子力利用の是非まで、あらゆる環境問題において、これまで市民社会が課題を前に進める原動力となってきました。ですから、私が環境大臣として、市民社会の代表の方と会うことは非常に重要なことです。

市民の方たちとの会合では、彼らのふるさとの地で起きている課題についての懸念や取り組みをお聞きすることができました。

●政治家としての歩みと原発問題

―レムケさんは1968年、旧東ドイツ・デッサウに生まれ、1989年に緑の党設立にもかかわっています。チェルノブイリ原発事故はどのような影響を与えたのでしょうか。

 1986年に起きたチェルノブイリ原発事故は、統一前の東ドイツでも環境運動を前進させる力となりました。しかしだからこそ、国からは原子力の危険性についてほとんど語られることはありませんでした。私自身は当時、大気汚染、そして私の出身地域での褐炭採掘問題やそこからの排水問題などに関わっていました。特に、市民が自由に意見をのべ自由に旅行できるという民主主義を求める運動に深く関わっていました。それらが、私を政治の世界へと導くことになりました。

―西ドイツでは、子どもは外遊びをするな、牛乳は飲むな、などと大きく報道されたと聞きましたが、東ドイツでは違ったのですね。

 はい、まったく違いました。事故自体についても、東ドイツでの報道は数日遅れで、内容もごく限られたものでした。外遊びや牛乳を飲むことへの注意などはありませんでした。

 東ドイツでは、環境問題に関する客観的データは、公開が禁じられていました。市民たちは情報の透明性や公開を要求していましたが、そのような運動をすれば国家保安省(秘密警察)に監視され、処罰されることとなっていました。

―原子力政策に関心を持ったきっかけは何ですか。

 東ドイツの原発は北部にあり、私の出身地域からは遠かったため、すぐ近くで起きていた他の環境問題に比べれば、原発問題にはそれほど強く関わっていたわけではありませんでした。例えば当時、モルスレーベン(旧東ドイツ領内、現在のザクセン・アンハルト州)の放射性廃棄物処分場の問題もありましたが、知識が足りずあまり関心を持っていませんでした。しかし、ドイツ統一後、一九九四年に緑の党の連邦議会議員として選出されて以降は、脱原発運動に積極的に関わるようになりました。

 その当時、放射性廃棄物のゴアレーベン(旧西ドイツ領内で東ドイツ国境まで約二キロ、現在のニーダーザクセン州)への搬入に対して大規模な反対運動が起きていました。一九七〇年代に、市民参加も科学的調査もなしに政治的議論のみで最終処分場建設が決められていたのです。地域には多くの農業者がおり、反原発運動は彼らと連携し、ついにゴアレーベンの最終処分場計画を阻止したのです。また、当時はモルスレーベンの処分場が物理的に崩壊や浸水の危機に瀕しているとされ、非常に激しい議論が交わされていました。そのつけは、税金として市民に重くのしかかるのです。

 また、チェルノブイリ原発事故によるベラルーシの汚染地域を訪問したことがあり、避難区域にそのまま取り残された家々やそこに住み続けている人たち、子どもの甲状腺がんなどの状況を目の当たりにしました。これらの経験も、私にとって大きなものでした。

―2011年の福島第一原発事故の時は何をされていて、どう思われましたか。

 報道で地震、津波、そして原発事故が起こったことを知り、すぐにその深刻さを理解しました。そしてその後の経過をずっと追って見ていました。多数の原子力発電が短期間で停止されたことは、日本にどれほど大きな影響を与えたでしょう。電力供給や産業にも影響したでしょう。

 ドイツでは、福島第一原発事故の直後に古い原発が停止されました。メルケル政権はそれまで原子力に賛成する立場をとっていましたが、福島第一原発事故が、脱原発に転換するきっかけとなったのです。世界中どこの国でも、原発事故が絶対に起こらないとは言えない、そのことが明確に示されたのです。津波の危険はドイツではほとんどありませんが、別の形での災害や人為的ミスが大事故につながる可能性はあります。

●エネルギー政策をめぐる議論

―ドイツは国内のすべての原発を4月15日に廃止しました。福島第一原発事故以降のドイツの気候変動・エネルギー政策の歩みをどう捉えますか。

 ドイツが脱原発を実現したことはとてもうれしく、安心しています。正しく、将来を見据えた決定だったと思います。メルケル首相による前政権は、石炭火力からの脱却もすでに決めました。これもまた正しい決定です。しかしエネルギーシフトを実現するために必要な、蓄電技術や風力、太陽光など代替手段を進めるという点では遅すぎました。

今、自動車産業や化学産業など、エネルギー多消費型の産業を基盤とするドイツは、再生可能エネルギーへの転換を急がなければならないという課題に直面しています。そのため私たち連邦政府は、再生可能エネルギーの拡大に加えてグリーン水素、蓄電技術、エネルギー効率化、省エネルギーなどに大規模な投資を行なっています。

―ロシアのウクライナ侵攻の影響はどうでしょう。

 ドイツは、もともとガス火力発電を、脱原発と脱石炭を達成するための橋渡しのエネルギーとして考えており、ロシアからの輸入に大きく頼っていました。そのため、ロシアのウクライナ侵攻により数カ月のうちに代替の輸入先を見つけ一時的に石炭とLNGに逆戻りしなければならなくなりました。しかしこれは臨時の措置にとどまるでしょう。同時に、先ほど述べたように再生可能エネルギーなどを大きく推進しています。

―しかし昨年、持続可能な経済活動のための基準「EUタクソノミー」に、ガスと原子力が含められました。どう評価していますか。

 ドイツ政府は、原子力をEUタクソノミーに含めるという欧州委員会の提案には反対していました。この決定は非常に大きな問題だと考えています。私が福島で見たような原発事故の被害を考えると、原子力を持続可能だと呼ぶことは馬鹿げています。これによってEUタクソノミーの意義自体が大きく損なわれようとしていると思います。今、欧州裁判所でこの決定について検証されようとしているのはよいことだと思います。(注:4月18日、グリーンピースがEUタクソノミーにガスと原子力を含めた決定を無効とすることを求め、欧州司法裁判所に提訴した)

●原発停止後の課題

―原発停止後の課題は何ですか。

 私たちが直面する大きな課題は、放射性廃棄物の最終処分場探しです。世界中どこにも、稼働を開始している最終処分場はありません。他の国と同様、われわれもまだ決められていません。ドイツでは、透明なプロセスと市民参加を前提に決定をしようとしています。過去、まったく市民の合意なしにゴアレーベンに決めてしまったことは失敗であったと学んでいます。そのためには時間も手間もかかります。安全な最終処分場を見つける課題、そしてそれにいくらかかるのか。実務的な手続きも膨大です。二つ目の課題は、最終処分に至るまでの高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵をいかに安全に行なうか。そして三つ目は、繰り返しになりますが再生可能エネルギーへのシフトです。

―ドイツは2030年までに再生可能エネルギーを全電源の80%とする目標を掲げていますが、日本は2030年までに36~38%とするにとどまっています。

 数値目標の議論はもちろん重要ですが、それ以上に重要なのは、実際に実行することです。福島県が再生可能エネルギーの拡大に積極的であることは素晴らしいと思います。この分野でも日独の連携が予定されています。

―日本は、原発事故を起こしていながら、原子力をさらに推進、例えば原発の60年を超える運転を認めようとしています。これについてどのようにお考えですか。

 もちろんエネルギー政策やエネルギーミックスは各国それぞれで決めるべきです。申し上げたように、私はドイツが脱原発を達成し再生可能エネルギーへと方向転換していることに大変安心し、うれしく思っています。もちろん、工業国として他の国の手本のようになれるのであれば幸いです。

―本日はお忙しいなか、ありがとうございました。

《取材のあとに》

 インタビューの翌朝、レムケ大臣はホテルを出発、やはり津波で大きな被害を受けた宮城県名取市閖上地区を訪れ献花ののち、仙台空港から札幌入りをした。

 G7気候・エネルギー・環境大臣会合の共同議長は、西村康稔経済産業大臣と、西村明宏環境大臣。最終日の4月16日、共同声明が発表された。日本政府は、原発の重要性を盛り込みたい意向だったと報道されていたが、結局、「我々は」という言葉ではなく「原子力を活用していく国々は」という表現がとられた。また福島第一原発事故に由来するALPS処理汚染水の海洋放出や、除染で生じた汚染土の再利用に関しては、G7として「歓迎する」という表現が提案されていたが、これについても「廃炉作業の着実な進展と科学的根拠に基づく日本と国際原子力機関(IAEA)との透明性ある取り組みを歓迎し、処理水の海洋放出についてIAEAの安全性の検証を支持する」という表現となった。

 インタビューでも語られたように、自身の目と耳で原発事故の現実に触れたレムケ氏が、会合においても確固たる信念をもって発言したであろうことが想像できる。

 会合後、今回の議長国日本、前回のドイツ、次回のイタリアの大臣が共同記者会見にのぞんだが、西村康稔経産大臣が、「処理水の海洋放出を含む廃炉の着実な進展、そして、科学的根拠に基づく我が国の透明性のある取り組みが歓迎される」と説明した際に、レムケ氏が「処理水の放出を歓迎するということはできない」と反論したことも報道され、話題になった。議長でありながら、取りまとめた声明とは異なる発言をした西村経産大臣は、「私の言い間違い」と釈明したというが、もともとの本音が出たというべきだろう。

 レムケ氏との夕食会合に出席した四人の市民とは、いわき市議会議員の佐藤和良さん、福島原発告訴団の武藤類子さん、「いわき放射能市民測定室たらちね」の木村亜衣さん、そして浪江町から兵庫県に避難している菅野みずえさんである。会合直後にお話を伺ったところ、レムケ氏の真摯な姿勢を感じたという。

 実はこの日は、菅義偉政権が「汚染水」の海洋放出を決めてからちょうど二年目にあたり、「これ以上海を汚すな!市民会議」が海洋放出反対のグローバルアクションを呼びかけていた。4人もいわき市小名浜でアクションを実施してから、Jヴィレッジに来ていた。汚染水海洋放出に対する当事者としての思いもレムケ氏に受け止められたようだ。何より、市民団体・環境団体を、環境・エネルギー政策に関する重要なステークホルダーであると認識し、自ら話を聞こうとする姿勢は、残念ながら日本の閣僚では考えにくい。レムケ氏のような姿勢やバックグラウンドをもつ人が環境大臣という要職にあるドイツ。日本の状況との圧倒的な違いに、4人からもため息が漏れた。

 4月15日、ドイツでは残る3基の原子炉がすべて停止され、工業大国の「脱原発」が達成された。ミュンヘン、ネッカーヴェストハイム(原発立地)、リンゲン(燃料棒製造工場のある町)などで大きなデモンストレーションが行なわれ、人々は五十余年にわたる原子力発電との闘いへの勝利をたたえ、喜び合った。

 ただし、燃料棒製造や隣国の原子力発電、そして放射性廃棄物の最終処分場選定など、原子力との対峙は今後も続く。また、原子力を使い続けるべきだという声はドイツ国内でも強い。バイエルン州首相のマルクス・ゼーダー氏(キリスト教社会同盟)は、原子力の運転を国から州の管轄に移し、再稼働をするべきだと強く主張した。これに対しレムケ氏は、放射線防護や安全の観点からも無責任であると批判している(4月17日付、南ドイツ新聞)。

 日本政府は原発に回帰し、加えて火力発電についてもさまざまな新技術と支援政策により維持・延命する方向である。今の日本の気候・エネルギー政策は、明らかに世界に逆行している。これは国家の枠を超え、市民社会が取り組む課題でもある。私たちは改めて向かうべき方向を見据えなければならない。

(転載ここまで)

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<参考>
・ドイツ連邦環境省:レムケ氏の福島訪問時の写真