2025年9月1日月曜日

JF全漁連 坂本会長の 談話

ALPS処理水海洋放出開始から2年にあたって


                        JF全漁連 坂本会長 談話

ALPS処理水の海洋放出開始から、2年が経過した。

この間、ALPS処理水の海洋放出は、これまで累次にわたって

実施されてきており、我々は引き続き注視してきた。

また、昨年11月には、2号機で燃料デブリの試験的取り出しが

行われ、廃炉の工程を定めた「中長期ロードマップ」における

第3期に移行するなど、粛々と作業が進められている。


しかしながら、ALPS処理水の海洋放出はスタートしたばかりであり、

依然、廃炉への道は、今後数十年の長きにわたることに変わりはない。

国、東京電力は、こうした廃炉へ向けた長期にわたる取組が、

漁業者の操業継続や新規就業意欲、消費者の行動に負の影響を

及ぼし続けていることを忘れてはならない。

一方、本年5月、中国による日本産水産物輸入全面停止措置の

一部解除にかかる日中間合意があったことについて、

あらためて日本政府の努力を評価するとともに、引き続き、

残る禁輸措置の即時全面解除と、

国産水産物の消費拡大や輸出拡大対策等の継続を求めるものである。

我々JFグループは、これまで一貫して申し上げてきた通り、

漁業者・国民の理解を得られないALPS処理水の海洋放出に

反対で あることに変わりはない。 

国においては、福島県漁業者をはじめ全国の漁業者やその後継者が

子々孫々まで安心して漁業を続けることができるよう、

「漁業者に寄り添い、必要な対策を取り続けること

をたとえ今後数十年の長期にわたろうとも、全責任をもって対応する」

との総理約束を確実に履行していくことを、

あらためて強く求めるものである。 

                            

                    2025年8月23日 

                    全国漁業協同組合連合会 

                    代表理事会長 坂本 雅信