5月25日、福島市で、東京電力福島復興本社福島分室前のスタンディングを行い、本格着工中止の要請を行いました。
私たちは、事前工事の強行に抗議しました。
5月13日の本社申し入れの際、福島の母親の「綺麗な海を残して欲しい」との訴えに、原子力センター所長が「約束できない」発言したことについて、原発事故の責任を顧みない住民無視として、取り消し謝罪するよう求め、『関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない』という福島県漁業協同組合連合会等との文書約束を守ることが先であり、強引に本格着工を強行するなと訴えました。
その後、福島県庁で、危機管理部原子力対策課長に対し、要請書を提出しました。
「福島県は、『関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない』という福島県漁業協同組合連合会との文書約束が守られない以上、理解と合意なき海洋放出の事前了解には同意しないこと」や「福島県は、政府と東京電力に対し、本件に関する説明・公聴会を県内及び全国で開催するよう求めること」など4項目の要請を行い、意見交換しました。
その後、県庁前スタンディングと記者会見を行いました。
■福島県への要請項目
1、事前了解について、福島県は、政府と東京電力による『関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない』という福島県漁業協同組合連合会との文書約束が守られない以上、理解と合意なき海洋放出の事前了解には同意しないこと。
2、情報公開と放射線影響評価の見直しについて、福島県は、政府と東京電力に対し、放出する全放射性核種等の濃度、総量などの全情報を公開させるとともに、海底土や海浜砂、生物への吸着・濃縮による放射能の蓄積とフィードバックの再評価など放射線影響評価と安全確認の徹底を求めること。
3、汚染水対策について、福島県は、政府と東京電力に対し、地下水の止水、トリチウム分離技術の実用化、大型タンク長期保管案やモルタル固化保管案など、汚染水対策の確立を求めること。
4、本件の説明・公聴会について、福島県は、政府と東京電力に対し、本件に関する説明・公聴会を県内及び全国で開催するよう求めること。
■東京電力への要請項目
1、海洋放出設備工事の本格着工について、福島第一原発事故及び汚染水発生の原点に立ち返り、「関係者の理解なしにいかなる処分も行わない」とする政府の福島県漁連等との文書約束を守り、理解と合意のない汚染水海洋放出設備工事の本格着工は中止すること。
2、情報公開と放射線影響評価の見直しについて、放出する全放射性核種の濃度、総量などの全情報を公開するとともに、海底土や海浜砂、生物への吸着・濃縮による放射能の蓄積とフィードバックを再評価して、原子力規制委員会に補正申請書を提出すること。
3、汚染水対策について、地下水の止水、トリチウム分離技術の実用化、大型タンク長期保管案やモルタル固化保管案等の検討など、汚染水についての抜本対策を早急に確立すること。
4、本件の説明・公聴会について、福島県内はじめ全国で本件の説明・公聴会を開催すること。
5、原子力センター所長の発言について、5月13日の申し入れでの「綺麗な海を残して欲しい」との訴えに対する原子力センター所長の「約束できない」との発言は、原発事故の責任を顧みない発言として、取り消し、謝罪すること。