原子力規制委員会は、東電の福島第一原発の処理汚染水を海洋放出するための実
施計画変更を認可する審査書案を承認しました。
審査書案は6月18日までの間、パブリック・コメント(意見募集)にかけられています。
ぜひ、あなたの意見を提出してください。
審査書案は、海洋放出を前提とする東電の計画をそのまま認めてしまうものです。
たとえば、さまざまな代替案が提案されているのにもかかわらず、それらの代替
案をきちんと検討することなく、東電の言い分のみを踏まえて、海洋放出が「リ
スク低減及び最適化を図る」と認めてしまっています。
また、タンク内のトリチウム以外の放射性物質の総量は未だに示されていません。
東電は64核種(ALPS処理対象62核種およびトリチウムおよび炭素14)について
測定した3つのタンク群のみのデータで放射線評価を行っており、残りのタンク
群については、「放出前に測定する」としています。
64核種以外に残留している放射性核種がないかどうかについても、東電ははっき
り示しておらず、「今後」測定を行うとしています。これについては、規制委員
会側から問題提起したのにもかかわらず、規制委員会はこれを認めてしまってい
ます。
さらに、東電が実施計画について適切な理解促進を行っているか(行うか)も審
査対象になっています。東電は「関係者の理解なしには、いかなる処分も行わな
い」としていたのにもかかわらず、すでに準備工事をはじめています。こうした
東電の強引で一方的な「理解促進」(というか「理解」することの押し付け)に
ついては一切みることなく、東電の新たな理解促進のための組織体制だけを評価
しているのです。
※【2分でわかる!汚染水動画シリーズ】(FoE japan)
「汚染水って何? 何が含まれているの?」
「トリチウムって何?」
「代替案は?」
「人々の声は?」