訳:竹峰誠一郎、振津かつみ*(2023年8月21日) 以下の国会決議は2023年8月にマーシャル諸島で入手し、 関係者のインタビューをふまえ翻訳したものである。 …………………………………………………………………………………………
2023年8月30日水曜日
マーシャル諸島共和国議会の国会決議
2023年8月29日火曜日
国際民主法律家協会(IADL) が「福島の汚染水放出に反対する決議」を採択
国際民主法律家協会(International Association of Democratic Lawyers, IADL)が、汚染水の放出撤回を求める決議を出しました。
■決議
https://iadllaw.org/2023/07/iadl-resolution-opposing-fukushima-contaminated-water-release/ (英文)
(Deepl翻訳)
IADL、福島の汚染水放出に反対する決議を採択
IADLは、日本政府と東京電力に対し、福島原発の汚染水を太平洋に放出する計画を直ちに撤回するよう求める。
日本政府と東京電力は、2023年夏に福島原発の汚染水を放出する計画を発表した。政府は、汚染水はALPS(Advanced Liquid Processing System)と呼ばれる処理プロセスによって希釈され、安全になると主張している。しかし、このプロセスは汚染水を希釈するだけで、トリチウムを除去することはできない。
日本では、福島の漁業組合が汚染水の放出に反対している。日本以外では、中国、韓国、その他の太平洋諸国も反対の声を上げている。特に、魚が主食の太平洋諸国(北マリアナ諸島-サイパン、テニアン、ロタ)の人々には深刻な影響を与えるだろう。地元の連邦議員、漁師、市民が反対の声を上げている。
国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長が来日し、2023年7月4日に報告書を発表した。報告書では、排出の考え方や行動は国際的な安全基準に合致しており、人や環境への影響は無視できると断言している。しかし、IAEAは1950年代に米国の「アトムズ・フォー・ピース」キャンペーンの下で設立された原子力推進のための国際機関である。汚染水の放出は、経済的社会的及び文化的権利に関する国際規約の下で人々の健康に対する権利を侵害するが、IAEAは人々の健康よりも原発推進を優先しようとしている。
韓国のユン大統領と日本の岸田首相は、2023年5月に福島に調査団を派遣したが、韓国国民はこれに反対しており、調査は汚染水の放出を許すだけだと宣言している。
国際海洋法条約は、加盟国に海洋環境の保全と保護(第192条)、他国への汚染防止措置(第194条)の義務を課している。また、環境影響評価を実施する義務も課せられている(第206条)。しかし、日本政府はこれらの措置をとっていない。
国連人権理事会の3人の特別報告者は2021年4月に汚染水放出を非難する声明を発表し、国際民主法律家協会(IADL)も2022年の国連人権理事会で非難声明を発表した。アジア太平洋弁護士連合会(COLAP)は2021年に決議を発表している。
NPTとTPNW条約は、核不拡散の代わりに原子力の平和利用を認めている。しかし、原子力発電所は事故で甚大な被害をもたらし、原子力発電所を狙った軍事行動を引き起こす可能性がある。核廃棄物の最終処分方法が定められていない原発は、人類にとって危険である。
よってIADLは、日本政府と東京電力に対し、福島原発の汚染水を太平洋に放出する計画を直ちに撤回するよう要求する。
IADL理事会採択
2023年7月2日、2023年7月5日更新
ライブ配信あります!:8月30日『ALPS処理水』に関する国・東電と住民との説明意見交換会
2023年8月28日月曜日
<放射性廃棄の専門家 ケヴィン・キャンプス氏のメッセージ>
◆汚染水の海洋放出反対メッセージ
<放射性廃棄の専門家 ケヴィン・キャンプス氏>
【動画】(12分)
よそものネットチャンネル
よそものネット(在外邦人による脱原発ネットワーク)さんが
動画を公開されました。
■Kevin Kamps(ケヴィン・キャンプス)さんの紹介
https://static1.1.sqspcdn.com/static/f/356082/3549705/1247166144603/Kevin_Kamps_bio.pdf
ミシガン州出身。
Nuclear Information and Resource Service社の放射性廃棄物専門家として8年間勤務。
現在は、原発と紛争のない世界を目指して活動するNGO「ビヨンド・ニュークリア」メンバー。
投棄反対、ウラン鉱山周辺やネバダテラス実験場の風下で暮らす人々を含めた米国やカナダの放射線被害のための活動、原子炉・再処理などへの政府補助金廃止運動、「チェルノブイリ子どもプロジェクト」 「ミシガン州支部設立など積極的な活動を展開している。
■HP
原子力を超えて
https://beyondnuclear.org/about/
■ブログ
Beyond Nuclear International
https://beyondnuclearinternational.org/
国連「人権とビジネス」作業部会 調査後ステートメント
<福島原発事故関連部分 P7~8>
作業部会は強制労働や搾取的な下請け慣行、安全性を欠く労働条件の事例を、深い憂慮を持ってお聞きしました。
また、災害直後に病院労働者や学校職員が直面した課題についてもお聞きし、被災したあらゆるステークホルダーを救済する必要があることも明らかにしました。
2023年8月27日日曜日
理解と合意なき汚染水の海洋放出の中止を求める声明
2023年8月23日
理解と合意なき汚染水の海洋放出の中止を求める声明
8月22日、政府は関係閣僚等会議にて、ALPS処理汚染水の海洋放出を決定し、24日には放出を開始すると示した。この強引で独裁的な姿勢に言葉を失う。
「関係者の理解なしには如何なる処分もしない」という漁業者との文書約束を反故にし、原発事故被害者である福島県民や国民の声、海でつながる国々の市民たちの声に耳を傾けることなく、立ち止まって議論をすることもなく、何が何でも流そうという姿勢は、著しく民主主義に反する。
岸田首相はこの放出を、「円滑な廃炉と福島の復興のため」と言うが、廃炉がどのような状態をいうのか未だ決っていない。そして漁業者をはじめ、原発事故被害者を再び窮地に追い込む。福島の漁業の決定的な打撃を与えることは確かであるし、消費者も正当な防御行為としての買い控えを行うだろう。購買への迷いや健康被害への不安も発生する。これは風評被害などではなく、実害だ。福島の復興のためになど一つもならず、ただ分断を広げるだけだ。
2018年の経産省エネ庁主催の「説明・公聴会」では、44人中42人がALPS処理汚染水の陸上保管を希望したが反映されず、その後は政府主催の公聴会は開かれていない。市民たちは、県内各地で何度も東電と経産省を招いて話し合いを持ち、東京へも何度も申し入れに出向いた。しかし、一貫して「ご理解を求める」という言葉で、諦めを強いる態度を変えなかった。「一定の理解を得られた」などと、どうしていえるのだろうか。
政府の試算で、当初費用は34億円、88ヶ月の期間とされていた海洋放出だが、現在風評被害対策を含めて約1300億円、30年間と変わっている。これは明らかに国民についた嘘である。提案されている代替案をきちんと検討したのかも疑問である。他にもっと安全な方法があるにも関わらずに、それをやらないのは政府の怠慢と無責任だ。
海は東電のものではない。日本だけのものでもない。過去の核実験で大きな被害を受けた太平洋島しょ国、韓国や中国など、台湾など海外からの大きな批判があり、既に国際問題になっている。更に、海洋放出は、少なくとも30年間続けられる。これは、今生きている世代だけの問題ではない。これは次世代、未来世代につけを回す事であり、未来への暴力と無責任だ。
原発事故で、膨大な量の放射性物質が環境にばらまかれ、今も海に、空に放出されている。それに加えてあえて意図的に環境に放出し、汚染を拡大することは許されない。流そうとしているのは、原発事故により生じた汚染水であり、他の原発が流しているトリチウム水とは決定的に違う。発生責任者であり事故の加害者でもある東京電力が、回収し安全に保管する義務がある。ALPS処理汚染水に含まれる放射性物質は、海水で薄めても放射性物質に変わりなく、その総量は分からないし総量規制もない。
このような問題点を無視し、議論しようともせず、解決しないまま放出を決めたことへ大きな憤りを持つ。
ふるさとの海、日本の海、世界の海を放射能でこれ以上汚してはならない。
あらためて放出に反対し、撤回、中止を求める。
これ以上海を汚すな!市民会議
共同代表 織田千代 佐藤和良
連絡先:福島県いわき市常磐下湯長谷町道下53-2
E-mail:koreumikaigi@gmail.com
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2023年8月26日土曜日
ドイツ環境大臣のツイッター(現X)
8月24日、フクイチの汚染水の海洋放出についての、ドイツ環境大臣シュテフィ・レムケ氏のツイッターです。(8月24日午後4時26分)
「環境大臣として、私はあらゆる放射能の追加的な海洋放出に批判的である。そのような放出は、他の全ての道が遮断されている場合の最後の選択肢としてのみ常に効果を発揮しうるのである。
それゆえ極度の周到さが必要である。すなわちこの種のあらゆる企図は、科学的な根拠に基づいて計画され遂行されなければならない。ただそのようにしてのみ、人間と自然に対する負荷を能う限り少なく保つか、または排除することができるのである。
さらに、手続き・方法は透明でなければならない。現地の人間が決定に参画し、十分な情報を与えられていなければならない。このことを私はすでに4月中旬、札幌で開かれたG7環境大臣会合の際、日本政府に対し要求していた。」
炎天下の福島第一原発近くの国道6号交差点付近
8月24日午前9時すぎ、炎天下の東電福島第一原発近くの国道6号交差点付近。
汚染水海洋放出に抗議する緊急スタンディング。
遠くは神奈川県や千葉県から駆けつけた方もいる。
参加者一人一人が想いをアピール。想いは一つだ。
放出を中止させるまで諦めないぞ!!
2023年8月25日金曜日
処理水放出、太平洋島しょ国が怒り 背景に核や戦争、大国の犠牲になってきた歴史
24日にも始まる東京電力福島第一原発事故の処理水放出に、マーシャル諸島など太平洋の島しょ国から懸念の声が上がっている。遠く離れた海の向こうの人々が異議を申し立てた背景には、戦前の日本統治や米国の核実験など大国の犠牲になってきた歴史の記憶があるという。現地を訪れている明星大の竹峰誠一郎教授(46)に、住民の思いを尋ねた。
東京新聞(曽田晋太郎、安藤恭子) 2023年8月24日 12時00分
今月中旬に開かれたマーシャル諸島の国会。3月に「福島原発から太平洋への放射能汚染水投棄に重大な懸念を表明」する決議を採択した=マーシャル諸島・マジュロで(竹峰誠一郎さん提供)
◆マーシャル諸島訪問の教授「頭ごなしに脅威押し付け」
◆核実験の地で反対決議
◆元大統領ら、日本の説明「遅い」
報道まとめ
■8月23日「漁業者が反対の中で、国と東電の判断で決定したのは遺憾。全責任は国と東電にある。放出されても反対し続ける」 (東京新聞)
8月24日午後1時ごろ、福島第一原発で始まった、原発処理水の海洋放出。放射性物質・トリチウムを含む処理水は大量の海水と混ぜ、トリチウム濃度を安全基準の40分の1未満にして放出される。
トリチウムを含んだ処理水の海洋放出、実は島根原発でも行われている。中国電力は、放出される処理水の濃度は国の安全基準よりも大幅に低い値としている。例えば島根原発2号機が稼働していた2011年、3か月間のトリチウム平均濃度は国の安全基準の「12万分の1」だったという。
こうした中、8月24日、島根原発から30キロ圏内の鳥取県米子市では―。
原発処理水の海洋放出 野党議員らが抗議 福島第一原発での放出始まる 島根原発のある山陰でも関心高まる 島根県・鳥取県 (msn.com)
■当事者なのに傍観者では…「政府任せ」の東電社長、漁業者に会ったのは処理水放出の当日 (東京新聞)
反対の声の中、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出が24日に始まった。「岸田首相や西村経済産業相が前面に立ち、一定の理解をいただいたということで放水に至った」。東電の小早川智明社長はこの日も、政府任せの姿勢に終始した。事故収束の節目となった日の東電幹部らの言葉からは、事故当事者としての責任感は伝わってこなかった。
いわき放射能市民測定室 たらちね海洋調査
8月23日午前、いわき放射能市民測定室 たらちね海洋調査に同行。福島第一原発沖合で、海洋放出前日の、大切な海水を採水。今日は、波のうねりがすごい。
処理水海洋放出“差し止め”求め提訴へ 漁業者や市民
処理水海洋放出“差し止め”求め提訴へ 漁業者や市民【処理水 福島の葛藤】
原発処理水の海洋放出決定を受け、福島県内の漁業者や市民などでつくる原告団が、処理水放出の差し止めを求めて、国と東京電力に対し、訴えを起こすことが明らかになりました。 ▼シリーズ「処理水 福島の葛藤」 原告や代理人の弁護士が、23日、福島県いわき市で会見を行いました。それによりますと、国に対し、処理水を海に放出する認可や使用前検査の合格の取り消しとともに、東電に対し、処理水を海に放出しないよう求めるということです。 会見で原告側は「処理水が放出されれば、漁業生産物の販売が著しく困難となることは明らか」などと主張しています。 最初の提訴は9月8日に、福島地裁となる見通しで、追加提訴も予定しているということです。 ▼処理水 福島の葛藤 処理水の海洋放出開始日が決まりましたが、関係者の理解や風評への懸念など、課題は残ったままです。TUFでは、処理水をめぐる課題や現状をシリーズでお伝えしています。
ハドソン川への放射性物質投棄はもうない: ホーチュルNY州知事が禁止令に署名
ニューヨーク在住でこれ海に連帯してくださるIさんも、この法案可決に向けてご尽力されたとのこと。ぜひご一読ください。